睡眠時無呼吸症候群と夜間頻尿
最近、睡眠時無呼吸症候群と夜間頻尿との関連が強いことがわかってきました。睡眠時無呼吸症候群の方は、睡眠中に喉の奥の気道を塞がり、時々、呼吸ができなくなってしまいます。その結果、肺、心臓に負担がかかり、心臓からあるホルモン(ナトリウム利尿ペプチドといいます)が出て、夜だけ尿を多く作る様になります。その結果夜中だけ尿量が増え(夜間多尿といいます)、夜中におしっこに起きなければならなくなってしまいます。
夜間頻尿の原因は、夜間の過剰な飲水といった生活の問題、膀胱に十分に尿が貯められない硬い膀胱の異常、心臓、腎臓の働きの異常、あるいは睡眠の問題等多岐にわたると考えられています。しかし、そのいずれにも当てはまらない、夜間頻尿の理由がはっきりしない場合もあり、対応に苦慮することが多々あります。そうした原因のはっきりしなかった方の中に、検査の結果、睡眠時無呼吸が見つかり、治療を行ったことで夜間頻尿が劇的に改善するケースがよく見られるようになりました。
睡眠時無呼吸症候群検査では、手首と指に小型の検査機器を装着し一晩睡眠中の呼吸の状態、酸素の取り込み具合を調べます。その結果から、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、睡眠中に治療用装具を付ける治療を行うことで、呼吸状態が改善、夜間尿量が減少し、その結果夜間頻尿がなくなります。
当院でも、浜松医療センター呼吸器内科とも連携をとりながら、この病気による夜間頻尿の発見・治療に努めています。